運行管理者をサポート!「車両動態管理システム」導入補助金

運行管理に役立つ補助金・助成金

「車両動態管理システム導入補助金」について、運行管理者向けにわかりやすくまとめました。現場での実務に役立つ視点で、制度の目的、導入メリット、申請条件、注意点などに焦点を当てています。

この補助金は、国土交通省の「中小物流事業者の労働生産性向上事業」の「業務効率化事業」の一部で、全日本トラック協会が執行します。

運送会社の運行管理者の方のご参考にしていただけましたら幸いです。

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運行管理者をサポート!車両動態管理システム導入補助金

〜運行の見える化で安全・効率・法令対応を強化〜

運行管理者の皆さんが日々行っている業務には、点呼、運行記録の確認、ドライバーの安全指導、配車調整、法令遵守など多くの責任が伴います。こうした業務をより正確に、効率よく行うためのツールとして注目されているのが「車両動態管理システム」です。

このシステムを導入すると、トラックの位置や走行状況をリアルタイムで把握できるようになり、運行管理の精度とスピードが大きく向上します。現在、国の補助制度により、導入費用の一部が支援されるチャンスがあります。

車両動態管理システムとは?

車両動態管理システムは、GPSなどを活用してトラックの運行状況をリアルタイムで記録・表示する仕組みです。主な機能は以下の通りです:

  • トラックの現在地を地図上で確認
  • 走行ルート、速度、休憩時間などの記録
  • 急加速・急減速などの運転挙動の検知
  • 配車状況や到着予定の管理
  • ドライバーの運転傾向の分析(安全指導に活用)

これにより、運行管理者は「今どこを走っているか」「予定通りか」「安全に運転できているか」を即座に把握でき、現場対応がスムーズになります。

車両動態管理システムについては、こちらで説明しています。
> 「動態管理システム」とは(中小トラック運送事業者向け)

導入による現場メリット

  • 配車の効率化:空車回送や待機時間の削減、ルート最適化が可能
  • 安全運転支援:急操作の検知により、個別指導や教育がしやすくなる
  • 到着予定の精度向上:荷主対応がスムーズになり、クレーム防止にもつながる
  • 労務管理の補助:休憩時間や運転時間の記録が可能になり、法令遵守を支援
  • 管理者の負担軽減:電話確認や紙ベースの記録が減り、業務が効率化される

補助制度の概要

この制度は、車両動態管理システムの導入にかかる初期費用の一部を国が補助するものです。概要は以下の通りです:

  • 補助率:導入費の1/2(消費税・工賃は除く)
  • 補助上限額:1社あたり最大24万円
  • 対象費用:機器代、設定費、導入時の初期費用
  • 対象外:月額利用料、通信費、スマホ・PCなどの汎用機器

車両動態管理システムは、単体では申請できません。必ず他の「業務効率化システム」(例:運行・労務管理システム)とセットで申請する必要があります。

逆に言えば、「車両動態管理システム」と「運行・労務管理システム」の両方を同時に導入するチャンスです。

運行・労務管理システムについては、こちらで説明しています。
運行管理者をサポート!「運行・労務管理システム」導入補助金

申請方法とスケジュール

  • 申請期間:2025年7月28日(月)〜9月30日(火)まで(消印有効)
  • 提出方法:郵送のみ(書留またはレターパック)

提出書類と現場での準備

運行管理者が関わる可能性が高い書類や準備事項は以下の通りです:

  • システムの機能がわかる資料(カタログなど)
  • システムの設置状況や画面表示の写真(導入済みの場合)
  • 見積書・請求書・領収書の写し
  • 納品書または販売証明書
  • ドライバーへの説明資料や運用マニュアル(任意)

※導入前と導入後で必要書類が異なるため、事前に確認が必要です。

注意点と運用上のポイント

  • 補助対象は初期導入費のみ。月額利用料や通信費は対象外
  • 汎用機器(スマホ、PCなど)は補助対象外
  • 支払い方法は現金・振込・小切手のみ。手形・分割払いは不可
  • 補助を受けた機器は5年間の保有義務あり。途中廃止・譲渡には事前申請が必要

また、導入後は「使いこなす」ことが重要です。単に位置情報を確認するだけでなく、運転傾向の分析、安全指導、配車改善などに活用することで、現場の成果につながります。

導入の進め方(運行管理者視点)

  1. 自社の運行管理課題を整理(例:遅延対応、安全指導、配車効率)
  2. システムの機能と照らし合わせ、必要な機能を選定
  3. 他の業務効率化システムとの連携を確認(補助申請の条件)
  4. ドライバーへの説明・教育体制を整備
  5. 導入後の運用ルール(誰が見るか、どう使うか)を明確化

この制度は、運行管理者が「現場を見える化」し、より安全で効率的な運行を実現するための強力な支援策です。導入にあたっては、経営層との連携や社内体制の整備が重要になります。


「車両動態管理システム導入補助金」の詳細は「募集要領」でご確認ください。

「募集要領」は全日本トラック協会のホームページからをダウンロードできます。
全日本トラック協会