令和7年4月から義務化された「業務の記録」は、貨物軽自動車運送事業者にとって非常に重要な安全対策の一つです。以下に、制度の目的から記録項目、運用方法まで詳しく整理しました。
制度の目的
- 事故防止と運行実態の可視化を目的に、運転者ごとの業務内容を記録・保存する義務が課されます
- 荷待ち時間や荷役作業など、ドライバーの負担やリスクを把握するための基礎資料になります
軽貨物運送の業務記録(日報)の概要
業務記録は「日報」とも言います。
記録すべき項目
全運行で記録が必要な項目
- 運転者の氏名
- 乗務した車両のナンバー
- 業務の開始・終了の地点と日時、主な経過地点、従事距離
- 業務を交替した場合、その地点及び日時
- 休憩または睡眠をした場合、その地点及び日時
集貨地点等で30分以上待機した場合
- 集貨地点等
- 集貨地点等への到着日時(荷主から指定された場合)
- 集貨地点等に到着した日時
- 集貨地点等における荷役作業(積込みまたは取卸し)の開始・終了日時
- 集貨地点等で附帯業務(貨物の荷造り・仕分けその他の貨物自動車運送事業に附帯する業務)を行った場合はその開始・終了日時
- 集貨地点等からの出発日時
荷役作業等を実施した場合
- 集貨地点等
- 荷役作業等の開始・終了日時、荷役作業等の内容
- 集貨地点等・日時・内容について荷主の確認を得られたか否か
異常事態が発生した場合
- 事故・運行の遅延・トラブルなどの概要と要因
記録のタイミングと保存期間
- 業務終了ごとに記録作成(休憩や荷役はその都度記載が望ましい)
- 保存期間:1年間
記録方法と様式
- 書面または電磁的手段(PC・スマホ)でOK
- 国交省が提供する様式例や記載例を参考にすると便利
(国土交通省『業務記録の様式例』)