運行管理者試験は、近年少しずつ難しくなってきていると言われています。 問題の文章が長くなったり、ひっかけに近い問い方が増えたりと、 「理解した上で答える力」 が必要になってきました。
しかし、決して合格が難しすぎる試験ではありません。 やるべきことをおさえ、ムダのない勉強を続ければ、 独学でも十分に合格できます。
このページでは、やさしい言葉で分かりやすく運行管理者試験に一発で合格するための勉強のコツを順番に説明しています。
運行管理者試験とは？（まずは全体をつかむ）
運行管理者試験は、「旅客」と「貨物」の2種類に分かれています。
- 旅客：バス・タクシー・ハイヤーなど旅客輸送の事業
- 貨物：トラック・物流など物の輸送を行う事業
どちらの試験でも、中心になるのは 「安全な運行のための知識」 です。
具体的には次のような内容が出題されます。
- 法令や基準
- 運転者の労務管理
- 点呼や車両管理のルール
- 事故防止の考え方
- 運行計画の立て方
「法律」と聞くと難しく感じるかもしれませんが、出題される内容は決まっています。 また、試験はマークシート方式（選択式）なので、 作文のような難しいことをする必要もありません。
勉強の基本はたったの2つ
運行管理者試験の合格に必要なのは、とてもシンプルです。
- 参考書で試験内容の全体像をつかむ
- 過去問をくり返し解いて理解を深める
参考書をあれこれ買いそろえるより、 1冊の参考書＋1冊の問題集 を何周もするほうが、 確実に実力がつきます。
① 参考書で“全体像”をつかむ（細かい理解は後回しでOK）
最初のステップは、参考書を使って 「どんな内容が試験に出るか」 を知ることです。
この段階で完璧を目指す必要はありません。 むしろ細かいところでつまずいてしまうと、前に進めなくなります。
参考書を読むときのコツ
- むずかしい部分は気にせずサラッと読む
- 大事そうなところに線を引く
- 頭に入りにくい箇所はひとまず飛ばす
- まずは「出題される範囲の地図」をつかむ
一度全体像をつかんでおくと、後で過去問を解くときに内容が結びつきやすくなります。
② 過去問を解く（最重要ポイント）
運行管理者試験で最も効果が高い勉強法が 過去問題 です。
過去問で身につくこと
- よく出るテーマ
- 出題されやすい数字
- 文章のクセ
- ひっかけ方の傾向
過去問を解くことで「本番の空気」に慣れることができ、 自然と必要な知識を身につけられます。
最初は間違えてしまっても大丈夫です。 むしろ、間違えたところこそ重点的に復習するポイントです。
間違えた問題こそ成長のチャンス
過去問で間違えた問題は、そのままにせず必ず復習しましょう。
見直しで確認すること
- どの法令や基準が問われていたのか
- なぜその選択肢が正しいのか
- なぜ他の選択肢は間違いなのか
- 自分はどこを勘違いしていたのか
「なぜ？」を理解することが、点数アップの近道です。
独学が不安な人は「試験対策講座」を活用しよう
独学で十分合格できますが、時間が少ない人や 法令がどうしても苦手な人は、 試験対策講座を活用するのも有効です。
講座の種類としては、次のようなものがあります。
- 民間スクールの対策講座
→ 法改正や頻出ポイントを体系的に学べる - オンライン講座（動画・通信）
→ スキマ時間に勉強しやすい - トラック協会・バス協会などが実施する講座
→ 信頼性が高く、ポイントが絞られている
特に、法令の暗記が難しい人や、点呼・安全管理の実務経験が浅い人に向いています。 最短距離で合格したいときは、一度検討してみる価値があります。
よく出るところが分かれば勉強はさらにラクに
過去問を複数年分やっていくと、
- 毎年出るような数字
- ほぼ必ず出る法令
- ひっかけ方のパターン
こうした「よく出るところ」が見えてきます。
これは、運行管理者試験が完全にランダムではなく、 毎年似たテーマが出される試験 であることを意味します。
問題集の選び方も重要
問題集を選ぶときは、次のポイントをチェックしましょう。
- 最新の法改正に対応しているか
- 過去問が複数回分あるか
- 解説がていねいで読みやすいか
- 正解・不正解の理由がしっかり書かれているか
古い問題集は、法律が変わってしまっている場合があるため避けてください。
参考書・問題集についてはこちらで案内しています。
⇒ 『運行管理者試験に最短で合格するためのテキスト＆問題集』
寝る前の勉強は“記憶に残りやすい”
勉強する時間帯に迷ったら、寝る前 がおすすめです。
精神科医・樺沢紫苑氏によると、 寝る前はインプットが少ないため「記憶の衝突」が起こりにくく、 覚えた内容が定着しやすいそうです。
寝ている間には新しい情報が入ってこないので、
記憶が整理され、頭に残りやすくなる。
（『読んだら忘れない読書術』より）
寝る前の10分を習慣にするだけでも、理解度は大きく変わります。
目的をはっきりさせて、目標を書き出す
勉強を続けるためには、 「なぜ運行管理者試験に合格したいのか」 を明確にすることがとても大切です。
たとえば、こんな目的があります。
- 資格を取って給料を上げたい
- 就職や転職を有利にしたい
- 職場の期待に応えたい
- 自分のスキルを証明したい
目的が決まったら、次は 目標を紙に書き出す のがおすすめです。
紙に書くと、次のような効果があります。
- 目指す方向がはっきりする
- 迷いにくくなる
- 行動を続けやすくなる
- “勉強する理由” を毎日思い出せる
漫然と勉強するよりも、目的に向かって勉強したほうが 集中力も上がり、合格に近づきます。
初心者向けの勉強スケジュール（2か月モデル）
無理なく進める場合、次のような2か月モデルが現実的です。
1〜2週目：参考書で全体像をつかむ
- 参考書をざっと読み、全体のイメージをつかむ
- 理解できない部分は気にしない
3〜4週目：過去問1回分＋復習
- 過去問を1回分解いてみる（時間は気にしなくてOK）
- 間違えたところを参考書でしっかり復習する
5〜6週目：過去問を2回分・3回分と増やす
- よく出る分野・数字・法令を集中的に覚える
- 同じミスをくり返していないか確認する
最終週：総復習と仕上げ
- これまでの復習を行い、苦手箇所をつぶす
- 本番を意識して過去問を解き、時間配分も確認する
仕事が忙しい人でも無理なく進められるペースです。 時間が取れる人なら1か月で仕上げることも可能です。
まとめ：コツコツ続ければ必ず合格できる
運行管理者試験は、才能が必要な試験ではありません。 大切なのは、次の3つの積み重ねです。
- 参考書で土台をつくる
- 過去問で慣れる
- 間違いを丁寧に直す
そして、 寝る前の勉強を取り入れること、 目的と目標を明確にすること、 必要なら試験対策講座を利用すること を組み合わせることで、合格に大きく近づきます。
あなたのペースで、コツコツと進めていけば大丈夫です。 無理のない計画で、運行管理者試験の合格を目指していきましょう。
