運行管理者試験とは、運行管理者となるための「運行管理者資格者証」の交付を受けるための方法の一つです。
試験には、貨物と旅客の2種類があり、通常は年に2回、8月と3月に実施されます。
2021年度(令和2年度)第2回運行管理者試験は合格率が上がりました!
運行管理者試験は以前と比べて難しくなってきている傾向がありますが、今回は合格率が上がりました。
直近の運行管理者試験の合格率
2021年度(令和2年度)第2回運行管理者試験の合格率は、次のとおりでした。
試験の種類 | 貨物 | 旅客 |
---|---|---|
受験者数 | 32,575人 | 7,610人 |
合格者数 | 14,295人 | 3,604人 |
合格率(%) | 43.9 | 47.4 |
貨物も旅客も受験者数が減りました。特に貨物は39,630人→32,575人と7,000人以上の減少です。これは前回の受験者数が、前々回の試験が新型コロナウイルス感染症対策で中止になった影響で増えたせいかもしれません。
貨物の場合、ここ数年は第1回の方が受験者数が多い傾向か続いています。
合格率は前回試験と比べて、貨物は13.2%、旅客は16.2%上がりました。今回は難易度が下がったと言えそうです。
運送業界における運行管理者の重要性が増している現状を考えると、今後も運行管理者試験の難易度は上がることが予想されます。
運行管理者試験は以前に比べて難易度がアップしています!
運行管理者試験(貨物)は、毎回2~3万人が受験し、合格率は40%前後で推移していて、数年前までは比較的易しい試験でした。
社会的影響の大きい重大事故が発生している状況の中、運行管理業務の重要性が高まっています。運行管理者試験(貨物)は最近の傾向として難易度が上昇し、合格率も低下しています。
下表を見ると、合格率は2013年度(平成25年度)第1回試験で初めて20%を下回りました。2014年度(平成26年度)第1回試験では15%をも下回っています。
もはや一夜漬けの勉強で合格することは難しいと言えます。とは言うものの、十分な試験対策をすれば、合格はそれほど難しくないです。
運行管理者試験の過去の合格率(合格率の推移)
貨物
試験実施年度 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率(%) |
---|---|---|---|
2020年度(令和2年度)第2回 | 32,575人 | 14,295人 | 43.9 |
2020年度(令和2年度)第1回 | 39,630人 | 12,166人 | 30.7 |
2019年度(令和元年度)第2回 | 新型コロナウイルスの感染拡大防止のため中止 | ||
2019年度(令和元年度)第1回 | 36,530人 | 11,584人 | 31.7 |
2018年度(平成30年度)第2回 | 29,709人 | 9,743人 | 32.8 |
2018年度(平成30年度)第1回 | 35,619人 | 10,220人 | 28.7 |
2017年度(平成29年度)第2回 | 29,063人 | 9,605人 | 33.0 |
2017年度(平成29年度)第1回 | 37,774人 | 13,238人 | 35.0 |
2016年度(平成28年度)第2回 | 29,621人 | 6,069人 | 20.5 |
2016年度(平成28年度)第1回 | 36,028人 | 10,868人 | 30.2 |
2015年度(平成27年度)第2回 | 29,520人 | 8,582人 | 29.1 |
2015年度(平成27年度)第1回 | 32,699人 | 7,402人 | 22.6 |
2014年度(平成26年度)第2回 | 27,610人 | 10,180人 | 36.9 |
2014年度(平成26年度)第1回 | 25,501人 | 3,674人 | 14.4 |
2014年度(平成26年度)臨時 | 11,542人 | 4,064人 | 35.2 |
2013年度(平成25年度)第2回 | 27,405人 | 10,236人 | 37.4 |
2013年度(平成25年度)第1回 | 30,161人 | 5,815人 | 19.3 |
2012年度(平成24年度)第2回※ | 22,792人 | 5,535人 | 24.3 |
2012年度(平成24年度)第1回 | 27,649人 | 11,401人 | 41.2 |
2011年度(平成23年度)第2回 | 23,174人 | 11,088人 | 47.8 |
2011年度(平成23年度)第1回 | 29,170人 | 13,663人 | 46.8 |
※)2012年度(平成24年度)第2回試験においては、大幅な難易度上昇に伴い、18点以上の合格基準が「17点以上」に引き下げられる措置が取られました。
旅客
試験実施年度 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率(%) |
---|---|---|---|
2020年度(令和2年度)第2回 | 7,610人 | 3,604人 | 47.4 |
2020年度(令和2年度)第1回 | 9,714人 | 3,026人 | 31.2 |
2019年度(令和元年度)第2回 | 新型コロナウイルスの感染拡大防止のため中止 | ||
2019年度(令和元年度)第1回 | 8,263人 | 2,624人 | 31.8 |
2018年度(平成30年度)第2回 | 7,605人 | 2,868人 | 37.7 |
2018年度(平成30年度)第1回 | 8,998人 | 2,856人 | 31.7 |
2017年度(平成29年度)第2回 | 8,588人 | 2,928人 | 34.1 |
2017年度(平成29年度)第1回 | 10,462人 | 3,694人 | 35.3 |
2016年度(平成28年度)第2回 | 8,028人 | 2,085人 | 26.0 |
2016年度(平成28年度)第1回 | 8,169人 | 2,876人 | 35.2 |
2015年度(平成27年度)第2回 | 7,027人 | 2,269人 | 32.3 |
2015年度(平成27年度)第1回 | 6,889人 | 1,205人 | 17.5 |
2014年度(平成26年度)第1回 | 5,709人 | 1,200人 | 21.0 |
年々難易度がアップしている
運行管理者試験に合格するための勉強方法
運行管理者試験に合格するための勉強方法について、自分自身の経験を踏まえてお話します。
運行管理者試験は年々難易度がアップしてきています。合格点を取るには、しっかりと勉強する必要があります。一夜漬けの勉強で合格することは難しいと言えます。
ですが、めちゃくちゃ難しいというわけでもありません。地道に次のことをやれば、独学でも合格することはできます。
- 参考書を読んで要点をまとめる
- 過去問題を解く
問題を解いて間違えたら、間違えた部分のテキストを読み返して、何が間違っていたのかを理解します。それを何度も繰り返します。それが合格への一番の近道です。
試験対策講座を受けるのも一つの方法でしょう。トラック協会などが実施しています。
私自身は、独学で過去問題を何度も繰り返し解き、一回の受験で合格することができました。私自身は、ユーキャンのテキストと問題集を利用しました。
運行管理者試験に合格するためのテキスト&問題集
以下に運行管理者試験のテキスト&問題集をご紹介します。ご自分に合いそうな参考書・問題集を探してみてください。
問題集は、数回分の過去問が掲載されているものを選ぶようにしてください。
また、受験する回に合わせたものを使うようにしてください。過去のものは法令が変更されていることがあるので使ってはいけません。
運行管理者試験(貨物)のテキスト&問題集
準備中です。
運行管理者試験(旅客)のテキスト&問題集
準備中です。
試験対策の参考書・問題集は受験しようとしている回に対応したものを利用することをおススメします。
なぜならば、古い参考書・問題集だと、その参考書・問題集が発行された以降に法律などが改正されている可能性があり、古い法律などを前提に勉強すると、間違った知識を覚えてしまうからです。
寝る前の勉強は記憶に残る
いつ勉強するのがいいかと言うと、寝る前の勉強がお勧めです。
なぜならば、精神科医の樺沢紫苑氏によると、寝る前の勉強は記憶を最大化するからです。
寝る前に勉強すると、勉強したことが頭に残りやすいといわれます。寝ている間には新しいインプットがなされないので、「記憶の衝突」が起こらず、頭の中の整理が進むからです。
(『読んだら忘れない読書術
』より)
読んだら忘れない読書術
著者:樺沢紫苑
出版社:サンマーク出版
目的をはっきりさせて目標を立てる
試験に合格するためには、目的をはっきりさせて目標を立てることも重要です。
あなたが試験に合格したい目的は何ですか?
- 運行管理者になって給料を上げる
- 運行管理者資格を取って就職・転職する
人それぞれ、色々あると思います。
目的をはっきりさせたら目標を立てます。そして、紙に書き出します。
目標を立てるだけでなく、紙に書き出した人の方が成功しやすいと言われています。
漠然と試験勉強をするのではなく、目標を立ててそれに向かって勉強する。
その方が合格する確率は上がるでしょう。