運送業を開業するためのポイント
運送業許可を取得するには、開業資金の確保などクリアすべきことがあります。
ここでは運送業を開業するときに、考慮すべきことについて解説します。
運送業開業を考えたら準備するべきこと
- 資金の確保
- 事務所と駐車場の確保
- トラックの確保
- 人の確保
1.運送業開業に必要な資金の確保
開業資金を確保できていないと運送業許可を取ることはできません。
運送業開業に必要な資金の目安
運送業を開業するには、1,000万円程度の資金が必要です。資金が十分あることを証明するために金融機関の「残高証明書」を運輸支局に提出します。
この開業資金の額は、次のような事情で増減があります。
- 事務所・駐車場となる土地は自社所有か賃借物件か
- 既に所有しているトラックの台数
- 開業にあたって購入するトラックの台数
- 購入するトラックは新車か中古車か
トラックを購入する台数が少なければ開業資金も少なくてすみます。
自己資金が少ない場合は、車両をリースすることや資金を調達する方法を検討します。
運送業に使用する事務所と駐車場の確保
開業資金の確保におおよその目途がたったら、運送業に使用する事務所と駐車場の物件探しを行ないます。
運送業に必要な車両(トラック)の確保
許可を取得してで起業するには、最低でも5台の貨物用自動車(トラック)が必要です。
車両の購入には、新車か中古車かがあります。新車購入と中古車購入のメリット・デメリットを下記に記載しました。
新車トラック購入のメリットとデメリット
メリットは故障が少ないことです。故障しても、メーカー保証期間内であれば費用がかからないことがあります。
デメリットは価格です。トラックを新車で購入するには、1台当たり数百万円からと高額です。
中古トラック購入のメリットとデメリット
メリットは価格が新車に比べ安いことです。年式の新しいトラックの場合、新車購入と価格的に大差ないこともあります。
デメリットとしては、年式が古いトラックの場合、修理代金がかさむ可能性があります。
人(運行管理者・整備管理者・運転者)の確保
許可取得に必要な人とは、
- 運行管理者/補助者
- 整備管理者/補助者
- 運転者(ドライバー)
です。
運行管理者と運行管理補助者の確保
運行管理者として選任できるのは、運行管理者資格者証を持っている人です。
運行管理者資格者証は、次の場合に取得できます。
- 1年以上の運行管理に関する実務経験がある
- 運行管理者基礎講習を修了し、運行管理者試験に合格している
出庫前、帰庫後には、ドライバーに対して点呼を行なわなければなりません。点呼をできるのは運行管理者かその補助者に限られます。
なので、運行管理補助者がいないと運行管理者が出勤していない場合に車両の運行ができません。
運行管理補助者の要件は、運行管理者基礎講習を修了していることです。
整備管理者の確保
整備管理者の確保も重要です。
整備管理者となるためには、次の2つの要件のうちどちらかを満たす必要があります。
- 自動車の点検・整備に関する実務経験が2年以上ある者が選任前研修を受講していること
- 自動車技能整備士3級以上の資格を有していること
整備管理補助者に関しては、特に要件はありません。
運送業の開業に役立つ書籍の紹介
運送業の開業に役立つ書籍をご紹介します。あなたの起業にお役立ていただければ幸いです。
運送業で起業する人が最初に読む本 起業から許可・運営まで 著者:諸井佳子 | |
運送業の経営を始めたいと考えている方が、何から準備をし、どのような手続を経て許可を取得し、実際にどんな経営をしていくのかを、わかりやすく解説している書籍です。 『運送業で起業する人が最初に読む本』の内容 第1章 運送業(一般貨物自動車運送事業)を始める前に | |
貨物自動車運送事業 書式全書 著者:鈴木隆広、先山真吾 | |
トラック運送業の開業から廃業までに行う、経営上の手続きのほか、日常業務で使用する約200の書式を収録。 解説では、書式作成地に記載すべき事項、添付書類の作成方法、イレギュラーなケースに対応するための参考書式例も示しながら、スムーズに手続きを進めるためのノウハウを随所に盛り込んだ、トラック運送業の書類作成と申請実務の決定版。 開業時だけでなく、開業してからも役に立つ書籍です。『貨物自動車運送事業 書式全書』の目次 第1編 一般貨物自動車運送事業の許認可・運営に関する書式 第1章 一般貨物自動車運送事業の概要 第2編 第一種貨物利用運送事業の登録申請 第1章 第一種貨物利用運送事業の概要 第3編 貨物軽自動車運送事業の届出 第1章 貨物軽自動車運送事業の概要 第4編 運送契約と書式 第5編 ドライバーの労務管理と書式 第1章 毎日の運行管理に関する書式 巻末資料 |