適正化事業実施機関による巡回指導
運輸開始届を出して事業を開始すると、6か月以内に適正化事業実施機関による巡回指導が行なわれます。その際は事前に通知があります。
それ以降は、おおよそ2年に1回程度回って来ます。その1カ月位前に通知が来ます。
巡回指導とは
この巡回指導は、トラック事業が適正に実施されるようにするためのものです。
巡回指導が行なわれる時は、事前に「巡回指導通知書」が郵送されてきます。
指導日が通知されたら、巡回指導通知書に記載されている帳票類を準備しなければなりません。
準備する帳票類は、業務に関するものでも多数あります。
- 運転者台帳
- 運行管理規程
- 点呼記録簿
- 運転手日報
- 給与台帳
- 健保・厚生年金加入台帳
- 運行・整備管理者選任届
- 整備管理規定 など
普段からそれらの帳票類を整えておくようにしていれば、何ら問題はありません。
適正化事業実施機関による速報
従来、適正化事業実施機関が巡回指導において違反行為を確認した場合は、適正化事業指導員が改善指導を行い、事業者による改善措置を促すことを基本としていました。
2013年10月1日からは、下記の法令違反状態を適正化事業指導員が確認した場合には、運輸支局に速報しなければならなくなりました。
- 点呼を全く行なっていない
- 点呼の実施記録が保存されていない
- 点呼の実施記録に係る帳簿に記載が全くされてない
- 運行管理者・整備管理者が全くいない
- 選任されている運行管理者が全くいない
- 選任されている整備管理者が全くいない
※ それぞれの資格者がいても、法令に基づく届出がされていない場合は、速報の対象となります。
- 定期点検未実施
- 定期点検整備記録簿が保存されていない
- 定期点検整備記録簿に記録が全くされていない
※ 「記録をしていないことは、実施をしていない疑いがある」と判断され、速報の対象となります。
定期通報
下記の事案が確認されたら定期的に通報することとされました。
- 改善報告確認後、定期通報
- 巡回指導評価がEで、3月以内に適正化事業実施機関に対し改善報告が行われない営業所
- 巡回指導評価がEで、改善報告は行ったが一部に未改善が見られ、再度の巡回指導において当該違反の改善が見られない営業所
- 巡回指導で確認したら定期通報
- 巡回指導を拒否した営業所
- 社会保険等未加入の営業所
適正化事業実施機関とは
適正化事業実施機関とは、いわゆる各都道府県のトラック協会のことです。
貨物自動車運送事業法に基づいて、地方適正化事業を行なう実施機関として国土交通大臣により指定されます。
貨物自動車運送に係る輸送の安全のため、事業者に対する巡回指導、広報啓発、安全性優良事業所(Gマーク事業所)の認定などを行ないます。
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