「車両動態管理システム導入補助金」について、制度の目的、対象条件、補助内容、導入メリット、注意点などを、わかりやすく解説しています。
この補助金は、国土交通省の「中小物流事業者の労働生産性向上事業」の「業務効率化事業」の一部で、全日本トラック協会が執行します。
トラックの位置や動きを見える化! 車両動態管理システム導入に補助が出ます
トラック運送業では、「今どこを走っているか」「予定通りに動いているか」「安全に運転できているか」を把握することがとても大切です。これを助けてくれるのが「車両動態管理システム」です。
このシステムを導入すると、トラックの位置や走行ルート、速度、休憩状況などをリアルタイムで確認できるようになります。配車の効率が上がるだけでなく、ドライバーの安全管理にも役立ちます。
こうしたシステムを導入する中小の運送会社に対して、国が費用の一部を補助してくれる制度があります。制度の運営は、公益社団法人 全日本トラック協会が行っています。
この補助金は、トラックの運行状況を「見える化」したい会社にとって、導入のハードルを下げるチャンスです。
この制度の目的は?
- トラックの運行状況をリアルタイムで把握し、業務の効率化を図る
- ドライバーの安全運転を支援し、事故リスクを減らす
- 配車や到着予定の管理をしやすくして、顧客対応を改善する
- 中小企業がデジタル化に取り組みやすくする
補助を受けられる会社は?
次の条件にあてはまる中小の運送会社が対象です:
- 資本金3億円以下、または従業員300人以下
- 緑ナンバーのトラックを5台以上持っている
- 一般貨物・特定貨物・第二種貨物利用運送事業者のいずれか
- 「ホワイト物流」宣言をしている、または「働きやすい職場認証」や「パートナーシップ構築宣言」をしていること
また、運送会社にシステムを貸し出すリース会社も申請できます。
補助の対象になるシステムは?
「車両動態管理システム」とは、次のような機能を持つものです:
- トラックの現在地を地図上で確認できる(GPS機能)
- 走行ルートや速度、休憩時間などを記録できる
- 配車状況や到着予定を管理できる
- ドライバーの運転状況を分析できる(急ブレーキ、急加速など)
※スマホやパソコンなどの汎用機器は補助対象外です
※月額利用料は対象外ですが、導入時の初期費用(機器代・設定費など)は補助対象になります
補助金の内容は?
- 補助率:導入費の1/2(消費税・工賃は含まれません)
- 補助額の上限:1社あたり最大24万円
- 単独申請は不可。必ず他の「業務効率化システム」(例:運行・労務管理システム)とセットで申請する必要があります
※車両動態管理システムだけを導入しても補助は受けられません。必ず他の業務効率化システムと一緒に申請してください。
他の業務効率化システムについて
他の業務効率化システムとは、「中小物流事業者の労働生産性向上事業」の「業務効率化事業」で規定されている以下のシステムのことです。
- 予約受付システム
- ASNシステム
- 受注情報事前確認システム
- パレット等管理システム
- 配車計画システム
- 求貨求車システム入
- 運行・労務管理システム
- 契約書電子化システム
「運行・労務管理システム」については、こちらで説明しています。
> 『運行・労務管理システム導入に補助が出ます(中小トラック運送業向け)』
申請方法と受付期間
- 申請は郵送のみ(書留郵便またはレターパック)
- 持ち込みや宅配便での提出は不可
- 受付期間:2025年7月28日(月)〜9月30日(火)まで(消印有効/10月3日必着)
提出する書類(主なもの)
- 申請書(様式あり)
- 見積書・請求書・領収書の写し
- 納品書または販売証明書
- システムの機能がわかる資料(カタログなど)
- システムの設置・利用状態がわかる写真(画面表示など)
- 会社の事業報告書(資本金・従業員数がわかるもの)
- 各種認証や宣言の証明書(該当する場合)
※申請前に導入している場合と、これから導入する場合で提出書類が異なります。
注意しておきたいこと
- 単独申請は不可。他の業務効率化システムとセットで申請すること
- 補助対象は初期導入費のみ。月額料金や通信費などは対象外
- 汎用機器(スマホ、PC本体など)は補助対象外
- 支払い方法は現金・振込・小切手のみ。手形や分割払いはNG
- 補助を受けたシステムは5年間の保有義務があります。途中で廃止・譲渡する場合は事前申請が必要です
- 書類の不備や提出遅れには注意。虚偽申告があるとペナルティもあります
「車両動態管理システム導入補助金」の詳細は「募集要領」でご確認ください。
「募集要領」は全日本トラック協会のホームページからをダウンロードできます。
> 全日本トラック協会