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運行管理に運転者適性診断を活用する

運行管理者が、ドライバーを指導する上で参考となるものの一つに適性診断があります。

運行管理に活用できる適性診断とは

適性診断は、個人の運転能力を評価したり、判別したりするものではありません。各人が持っている癖を見出し、その癖に応じたアドバイスをすることで安全運転に努めてもらうためのものです。

人には長所と短所があります。だれでも長所を伸ばし、短所を改めることができます。適性診断は、人の長所と短所を見出し、安全運転に役立てるための手段の一つです。

運行管理者としては、ドライバーの日常の行動を踏まえて、診断結果を指導に役立てることができます。

適性診断の種類と内容

適性診断の種類

適性診断には、国土交通省の認定が必要な適性診断と認定が必要ない適性診断があります。

  • 認定が必要な適性診断
    特定診断Ⅰ
    特定診断Ⅱ
    初任診断
    適齢診断
  • 認定が必要ない適性診断
    一般診断

適性診断の対象となる人

種類 対象者
特定診断Ⅰ ①死亡又は重傷事故を起こし、かつ、当該事故前の1年間に事故を起こしたことがない者
②軽傷事故を起こし、かつ、当該事故前の3年間に事故を起こしたことがある者
特定診断Ⅱ 死亡又は重傷事故を起こし、かつ、当該事故前の1年間に事故を起こした者
初任診断 新たに採用された者
適齢診断 65歳以上の者
一般診断 任意

適性診断の内容

各適性診断では、それぞれ以下の内容を行ないます。

種類 内容
特定診断Ⅰ 交通事故を引き起こすに至った状況等について聞き取りを行い、運転経歴等を参考に、交通事故の再発防止に必要な運転行動等についての助言・指導を行ないます。
特定診断Ⅱ 受診者の運転性向の基本要因に係る諸特性を明らかにするとともに、交通事故を引き起こすに至った運転特性及びその背景となった要因などを参考に、交通事故の再発防止に必要な運転行動等について助言・指導を行ないます。
初任診断 診断の結果を基にプロドライバーとしての自覚、事故の未然防止のための運転行動等及び安全運転のための留意点等について助言・指導を行ないます。
適齢診断 診断の結果を基に、加齢による身体機能の変化の運転行動への影響を認識してもらい、事故の未然防止のための身体機能の変化に応じた運転行動について助言・指導を行ないます。
一般診断 運転者の運転特性を明らかにするため、安全運転にとって必要なドライバーの心理・生理の特性を、科学的に測定し、結果について助言・指導を行ないます。

NASVAの適正診断

NASVAでは、一般診断を受けた人に対して、下記の診断を行なっています。

種類 内容
カウンセリング付き定期診断 NASVAのカウンセラーが、一般診断(定期診断)を受診した方に対して、診断結果を基に交通事故の未然防止のために必要な運転行動や安全運転のための留意点等についてカウンセリング手法を用いた指導及び助言を行ないます。
特別診断 NASVAのカウンセラー又は適性診断専門委員(大学教授等)が、一般診断(定期診断)を受診した方に対して、運転経歴等を参考に、一般診断より更に精密 に運転性向の諸特性を明らかにし、交通事故の未然防止のために必要な運転行動等についてカウンセリング手法を用いた指導及び助言を行ないます。

NASVAの運転者適性診断については、NASVAのホームページをご覧ください。

適性診断認定機関について

国土交通省の認定を受けた適性診断を行なっている機関については、国土交通省のホームページ(『事業用自動車の安全対策:自動車総合安全情報』)をご覧ください。

適性診断を活用する

適性診断は受けっぱなしでは意味がありません。

ドライバーが適性診断の中身をよく理解し、アドバイスを実践することが必要です。

ドライバーに適性診断を活用してもらうためには、運行管理者がどのようにドライバーに適性診断結果やアドバイスの内容を伝え、指導に役立てることが重要です。

運行管理者、運転者必読!交通事故を起こさないための本

トラックの事故は、重大事故につながりやすいです。被害にあわれた方や荷主だけでなく、会社関係者など多くの人に影響を与えます。

運行管理者自身が交通事故に対して刑事責任を問われることもあります。

交通事故の防止は、運転者だけの問題ではありません。

運行管理者には、次のことが求められているのです。

  • 運転者と一緒になって事故の防止について考えること
  • 運転者の自覚を促し、手助けをする存在であること

運行管理者が知っておきたい交通事故の防止・安全運転の指導に役立つ書籍をご紹介します。あなたの運行管理業務にお役立ていただければ幸いです。

交通事故を7割減らすたった2つの習慣

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これまでの安全運転指導では身につかなかった交通事故を減らす具体的な習慣と交通安全意識が高まります。企業・団体の安全運転管理者にお薦めです。

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ドライバーズハンドブック 交通心理学が教える事故を起こさない20の方法

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社長の決意で交通事故を半減! 社員を守るトラック運輸事業者の5つのノウハウ

社長の決意で交通事故を半減! 社員を守るトラック運輸事業者の5つのノウハウ

【実際の事例から、交通事故に効く「就業規則」を考える! 】
《交通事故半減のための5つのノウハウ》

(1) 長時間労働是正(残業時間削減、拘束時間削減)
(2) 荷主企業への協力要請
(3) 交通事故削減の仕組みの構築
(4) 人事評価制度の活用
(5) 交通事故削減のための「就業規則」の作成

トラック運輸業界では、ドライバーの長時間労働や過重労働により悲惨な交通事故が多発している現状である。
その一方で、トラック運輸事業者の労働基準関係法などの法令違反率は年々上昇している。

交通事故や荷役事故の発生要因は、長時間労働を筆頭にした法令の不遵守であり、「安全」を軽視した組織風土に根本的な原因がある。

本書は、「年間82件の交通事故を43件に半減した」トラック運輸事業者が実際に実施した、長時間労働の是正、人事評価制度の活用、就業規則の作成などの取組みを解説し、交通事故を削減するための仕組みを明らかにしている。

著者: 山本昌幸
出版社: 労働調査会出版局
発売日:2017/1/13

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