経営診断事業とは、トラック協会の会員企業がトラック運送事業の経営診断に豊富な経験を持つ専門家による診断を受けた場合、経営診断・経営改善相談等の費用の一部を助成するというものです。
経営診断事業は、全日本トラック協会標準経営診断システムによる「総合的な経営診断(ステップ1)」、「経営改善相談(ステップ2)」「運賃交渉支援(ステップ3)」の3ステップ方式で経営改善を図ります。
経営診断事業について、トラック協会の資料を基に分かりやすくまとめてみました。
(出典:全日本トラック協会『令和7年度 経営診断・経営改善支援・運賃交渉支援事業 実施要領』)
経営診断・経営改善支援・運賃交渉支援事業(令和7年度)
1. 事業の趣旨
中小トラック運送事業者が、自社の経営課題を明確にし、改善に取り組めるように支援する制度です。
特に以下を目的としています。
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経営状況や財務状況を踏まえた適切な運賃・料金の設定
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取引先との交渉支援
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経営改善に向けた具体的な取り組みのサポート
2. 事業の内容
3つのステップで支援が提供されます。
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ステップ1(経営診断)
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自己診断、診断士による財務診断、現地調査を実施
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結果をまとめた「経営診断報告書」を作成
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ステップ2(経営改善支援)
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経営診断の結果を基に、改善策に関する具体的な相談・助言を行う
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経営改善の実行をサポート
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ステップ3(運賃交渉支援)
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診断・改善支援の結果を踏まえ、原価計算や運賃設定を支援
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交渉準備や交渉への同席、資料説明などを通じて、実際の交渉を支援
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稼働日数は最大4日まで
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3. 費用と助成制度
(1)費用
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ステップ1(経営診断):16万円(税抜)+診断士の旅費交通費
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ステップ2(経営改善支援):15万円(税抜)+診断士の旅費交通費
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ステップ3(運賃交渉支援):1日12万円(税抜)、最大4日(48万円)+診断士の旅費交通費
(2)助成額
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ステップ1(経営診断)
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費用のうち8万円(Gマーク事業者は10万円)
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診断士の旅費交通費:上限5万円
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ステップ2(経営改善支援)
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費用のうち12万円(Gマーク事業者は13万円)
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診断士の旅費交通費:上限5万円
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ステップ3(運賃交渉支援)
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1日あたり8万円(最大32万円)、Gマーク事業者は1日9万円(最大36万円)
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診断士の旅費交通費:上限5万円
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※「Gマーク事業者」とは、安全性優良事業所(安全性優良認定)を持つ事業者のこと。
4. 予算額
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総額:2,100万円
5. 実施期間
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令和7年5月16日 ~ 令和8年2月28日
まとめ
この事業は、中小トラック事業者が 経営の見直し → 改善 → 運賃交渉 まで一貫して支援を受けられる仕組みです。
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経営診断から改善支援、交渉支援まで3段階でサポート
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費用の一部は助成金で補填(Gマーク事業者はさらに優遇)
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実施期間は令和7年5月~翌年2月
申請先
申請先は各都道府県トラック協会です。
> 各都道府県トラック協会一覧
詳しくは全日本トラック協会のホームページをご覧ください。
> 全日本トラック協会
その他の補助金・助成金情報について知りたい方は『運送会社のための補助金・助成金情報』でご覧いただけます。
