このページでは、点呼業務を含む運行管理補助者の運用について、要点をまとめてみました。
運行管理補助者の制度と運用詳細
補助者の定義と限界
- 補助者は「履行補助」の位置づけで、業務代行ではない。
- 貨物自動車運送事業輸送安全規則第18条では、補助者は点呼業務の一部に限り単独実施可能と規定。
- 運行管理者が不在でも点呼実施は可能だが、異常がある場合は必ず管理者へ報告・判断を仰ぐ。
点呼権限の「3分の2ルール」
項目 | 内容 |
---|---|
点呼対象 | 乗務前・乗務後の全ドライバー |
カウント方法 | 延べ回数(人数×1日2回)で管理 |
実施可能数 | 全点呼回数の 最大3分の2まで補助者が実施可能 |
柔軟運用例 | 朝点呼:管理者、夕方点呼:補助者 → OK |
- 曜日や日単位ではなく、回数ベースで管理するのがポイント。
- 補助者の点呼実績は、帳票等で明示しておくと管理・監査対応がスムーズ。
点呼時の異常対応ルール(補助者が単独判断できない例)
補助者が異常を確認した場合、即座に運行管理者へ連絡し、指示を受けて対応する必要あり。
想定される異常 | 対応方針 |
---|---|
酒気帯びの疑い | 社内ルール(再検査)実施後も異常なら管理者判断 |
疲労・睡眠不足 | 補助者は判断せず管理者へ報告 |
無免許・無資格運転 | 必ず管理者へ報告し運行可否の判断を仰ぐ |
過積載・速度違反 | 確認次第、運行管理者に指示を仰ぐ |
管理者と連絡が取れる状態(電話・IT機器)を常時確保する体制構築が必要です。
資格・講習制度
項目 | 内容 |
---|---|
選任条件 | ・運行管理者資格者証保有者 ・基礎講習修了者(NASVAまたは認定機関) |
補助者の講習義務 | なし(※運行管理者が内容を指導すればOK) |
補助者→管理者昇格要件 | 5年の実務経験+年1回×4年の講習受講が必要 |
社内運用と掲示対応
- 社内運行管理規程に以下を明記する必要あり:
- 補助者の権限と職務内容
- 管理者不在時の対応方法
- 補助者の氏名掲示義務(例:「補助者:運送太郎」)
運輸支局への補助者選任届
一般貨物の場合、運輸支局への補助者選任届は不要。
旅客事業では届出が必要。
兼任の運用例
兼任タイプ | 可否 | 備考 |
---|---|---|
旅客+貨物補助者(同営業所) | 可能 | 体制を運行管理規程に明記 |
他営業所との兼任 | 可能 | 各所で業務が適切に遂行可能な体制構築要 |