初任運転者(貨物)に対する特別な指導について

運行管理者が行なうべき「運転者に対する適切な指導及び監督」の一つに「特定の運転者に対する特別な指導」があります。

特定の運転者には、次の3種類があります。

  1. 事故惹起運転者
  2. 初任運転者
  3. 高齢運転者

初任運転者に対する特別な指導について

ここでは、貨物運送事業者の「初任運転者に対する特別な指導」について説明します。

事故惹起運転者(貨物)に対する特別な指導についてはこちらをご覧ください。

高齢運転者(貨物)に対する特別な指導についてはこちらをご覧ください。

初任運転者とは

初任運転者とは、運転者として常時選任するために新たに雇い入れた者を言います。

初任運転者に対しては、雇い入れる前の事故歴を把握し、必要に応じて特別な指導を行ない、適性診断を受けさせなければなりませんん。

事故歴の把握

自動車安全運転センターが交付する無事故・無違反証明書や運転記録証明書等により、雇い入れる前の事故歴を把握することができます。

特別な指導とは

初任運転者には、下記の特別な指導を行なわなければなりません(貨物運送事業者の場合)。

特別な指導の内容及び時間

指導の内容時間
① 一般的な指導及び監督の内容である12項目について指導する。

12項目のうち、日常点検に関する事項、事業用自動車の車高、視野、死角、内輪差及び制動距離等に関する事項並びに貨物の積載方法及び固縛方法に関する事項については、 実際に車両を用いて指導する。

15時間以上実施する
② 安全運転の実技
実際に事業用自動車を運転させ、 道路及び交通の状況に応じた安全な運転方法を添乗等により指導する。
20時間以上実施する
一般的な指導および監督の内容である12項目とは

一般的な指導および監督の内容である12項目は次のとおりです。

  1. 事業用自動車を運転する場合の心構え
  2. 事業用自動車の運行の安全を確保するために遵守すべき基本的事項
  3. 事業用自動車の構造上の特性
  4. 貨物の正しい積載方法
  5. 過積載の危険性
  6. 危険物を運搬する場合に留意すべき事項
  7. 適切な運行の経路及び当該経路における道路及び交通の状況
  8. 危険の予測及び回避並びに緊急時における対応方法
  9. 運転者の運転適性に応じた安全運転
  10. 交通事故に関わる運転者の生理的及び心理的要因並びにこれらへの対処方法
  11. 健康管理の重要性
  12. 安全性の向上を図るための装置を備える事業用自動車の適切な運転方法

特別な指導の実施時期

初めて事業用自動車に乗務する前に実施しなければなりません。やむを得ない事情がある場合には、乗務を開始した後1カ月以内に実施しなければなりません。

※きめ細かな指導を実施するために、専門的な知識及び技術並びに指導のための場所を持つ外部の専門的機関を活用することが推奨されています。

特別な指導の記録

初任運転者に特別な指導を実施した時は、次のいずれかの方法でその記録をしなければなりません。

  • 指導を実施した年月日及び指導の具体的内容を運転者台帳に記載する
  • 指導を実施した年月日を運転者台帳に記載したうえで指導の具体的内容を記録した書面を運転者台帳に添付する

「特定の運転者に対して特別な指導を行っているかどうか」は、Gマークの評価項目の一つになっています。その意味でも、初任運転者に対する特別な指導の記録は重要と言えます。

トラック協会の助成制度について

トラック協会が指定する研修を受講する場合、トラック協会のドライバー等安全教育訓練促進助成制度を受けることができます。

「トラック協会のドライバー等安全教育訓練促進助成金について」をご覧ください。

参考資料

『自動車運送事業者が事業用自動車の運転者に対して行う一般的な指導及び監督の実施マニュアル 第2編 本編(国土交通省 自動車局 安全政策課 発行)』