キャンペーン!AI時代の最新ノート。HP ENVY x360 14【日本HP】

トラック運転者に対する一般的な指導について

スポンサーリンク

貨物自動車運送事業者はトラック運転者に対して指導を行なわなければなりません。その指導には次の2種類があります。

  1. 一般的な指導
  2. 特定の運転者に対する特別な指導

特定の運転者には、次の3種類があります。

  1. 事故惹起運転者
  2. 初任運転者
  3. 高齢運転者

ここでは、貨物運送事業者の「運転者に対する一般的な指導」について説明します。

事故惹起運転者(貨物)に対する特別な指導についてはこちらをご覧ください。

初任運転者(貨物)に対する特別な指導についてはこちらをご覧ください。

高齢運転者(貨物)に対する特別な指導についてはこちらをご覧ください。

運転者に対する一般的な指導の内容

一般的な指導は次の12項目から成っています。

  1. 事業用自動車を運転する場合の心構え
  2. 事業用自動車の運行の安全を確保するために遵守すべき基本的事項
  3. 事業用自動車の構造上の特性
  4. 貨物の正しい積載方法
  5. 過積載の危険性
  6. 危険物を運搬する場合に留意すべき事項
  7. 適切な運行の経路及び当該経路における道路及び交通の状況
  8. 危険の予測及び回避並びに緊急時における対応方法
  9. 運転者の運転適性に応じた安全運転
  10. 交通事故に関わる運転者の生理的及び心理的要因並びにこれらへの対処方法
  11. 健康管理の重要性
  12. 安全性の向上を図るための装置を備える事業用自動車の適切な運転方法

以下にそれぞれの内容を記します。

  1. 事業用自動車を運転する場合の心構え
    貨物自動車運送事業は公共的な輸送事業であり、貨物を安全、確実に輸送することが社会的使命であることを認識させるとともに、事業用自動車による交通事故の統計を説明すること等により、事業用自動車による交通事故が社会に与える影響の大きさ及び事業用自動車の運転者の運転が他の運転者の運転に与える影響の大きさ等を理解させ、事業用自動車の運行の安全を確保するとともに他の運転者の模範となることが事業用自動車の運転者の使命であることを理解させる。
  2. 事業用自動車の運行の安全を確保するために遵守すべき基本的事項
    貨物自動車運送事業法、道路交通法(昭和35年法律第105号)及び道路運送車両法(昭和26年法律第185号)に基づき運転者が遵守すべき事項を理解させる。 また、当該事項から逸脱した方法や姿勢による運転をしたこと及び日常点検を怠ったことに起因する交通事故の事例、当該交通事故を引き起こした貨物自動車運送事業者及び運転者に対する処分並びに当該交通事故が加害者、被害者その他の関係者に与える心理的影響を説明すること等により 当該事項を遵守することの重要性を理解させる。
  3. 事業用自動車の構造上の特性
    自らの運転する事業用自動車の車高、視野、死角、内輪差(右左折する場合又はカーブを通行する場合に後輪が前輪より内側を通ることをいう。以下同じ。)、制動距離等を確認させるとともに、これらが車両により異なること及び運搬中の貨物が事業用自動車の運転に与える影響を理解させる。この場合において、牽引自動車及び被牽引自動車を運行する場合においては、当該牽引自動車を運転するに当たって留意すべき事項を、当該被牽引自動車によりコンテナを運搬する場合においては、当該コンテナを下部隅金具等により確実に緊締しなければならないことを併せて理解させる。また、これらを把握していなかったことに起因する交通事故の事例を説明すること等により、事業用自動車の構造上の特性を把握することの必要性を理解させる。
  4. 貨物の正しい積載方法
    道路法(昭和27年法律第180号)その他の軸重の規制に関する法令に基づき運転者が遵守すべき事項を理解させるとともに、偏荷重が生じないような貨物の積載方法及び運搬中に荷崩れが生じないような貨物の固縛方法を指導する。また、偏荷重が生じている場合、制動装置を操作したときに安定した姿勢で停止できないおそれがあること及びカーブを通行したときに遠心力により事業用自動車の傾きが大きくなるおそれがあることを交通事故の事例を挙げるなどして理解、習得させる。
  5. 過積載の危険性
    過積載に起因する交通事故の事例を説明すること等により、過積載が事業用自動車の制動距離、安定性等に与える影響を理解させるとともに、過積載による運行を行った場合における貨物自動車運送事業者、事業用自動車の運転者及び荷主に対する処分について理解させる。
  6. 危険物を運搬する場合に留意すべき事項
    危険物(自動車事故報告規則(昭和26年運輸省令第104号)第2条第5号に規定するものをいう。 以下同じ。)を運搬する場合においては、危険物に該当する貨物の種類及び運搬する危険物の性状を理解させるとともに、危険物を運搬する前に確認すべき事項並びに危険物の取扱い方法、積載方法及び運搬方法について留意すべき事項を理解させる。また、運搬中に危険物が飛散又は漏えいした場合に安全を確保するためにとるべき方法を指導し、習得させる。この場合において、タンクローリにより危険物を運搬する場合にあっては、これを安全に運搬するために留意すべき事項を理解させる。
  7. 適切な運行の経路及び当該経路における道路及び交通の状況
    ① 当該貨物自動車運送事業に係る主な道路及び交通の状況をあらかじめ把握させるよう指導するとともに、これらの状況を踏まえ、事業用自動車を安全に運転するために留意すべき事項を指導する。この場合、交通事故の事例又は自社の事業用自動車の運転者が運転中に他の自動車又は歩行者等と衝突又は接触するおそれがあったと認識した事例 (いわゆる 「ヒヤリ ・ハット体験」)を説明すること等により運転者に理解させる。
    ② 道路運送車両の保安基準(昭和26年運輸省令第67号)第2条、第4条又は第4条の2について同令第55条の認定を受けた事業用自動車を運転させる場合及び道路法第47条の2第1項に規定する許可又は道路交通法第 57 条第3項に規定する許可を受けて事業用自動車を運転させる場合は、安全に通行できる経路としてあらかじめ設定した経路を通行するよう指導するとともに、当該経路における道路及び交通の状況を踏まえ、当該事業用自動車を安全に運転するために留意すべき事項を指導し、理解させる。
  8. 危険の予測及び回避並びに緊急時における対応方法
    強風、豪雪等の悪天候が運転に与える影響、右左折時における内輪差、直前、後方及び左側方の視界の制約並びにジャックナイフ現象(制動装置を操作したときに牽引自動車と被牽引自動車が連結部分で折れ曲がり、安定性を失う現象をいう。)等の事業用自動車の運転に関して生ずる様々な危険について、危険予知訓練の手法等を用いて理解させるとともに、危険を予測し、回避するための自らへの注意喚起の手法として、指差呼称及び安全呼称を行う習慣を体得させる。また、事故発生時、災害発生時その他の緊急時における対応方法について事例を説明すること等により理解させる。
  9. 運転者の運転適性に応じた安全運転
    適性診断その他の方法により運転者の運転適性を把握し、個々の運転者に自らの運転行動の特性を自覚させる。また、運転者のストレス等の心身の状態に配慮した適切な指導を行う。
  10. 交通事故に関わる運転者の生理的及び心理的要因並びにこれらへの対処方法
    長時間連続運転等による過労、睡眠不足、医薬品等の服用に伴い誘発される眠気、飲酒が身体に与える影響等の生理的要因及び慣れ、自らの運転技能への過信による集中力の欠如等の心理的要因が交通事故を引き起こすおそれがあることを事例を説明することにより理解させるとともに、貨物自動車運送事業輸送安全規則第三条第四項の規定に基づき事業用自動車の運転者の勤務時間及び乗務時間に係る基準を定める告示(平成13年国土交通省告示第1365号)に基づく事業用自動車の運転者の勤務時間及び乗務時間を理解させる。 また、運転中に疲労や眠気を感じたときは運転を中止し、休憩するか、又は睡眠をとるよう指導するとともに、飲酒運転、酒気帯び運転及び覚せい剤等の使用の禁止を徹底する。
  11. 健康管理の重要性
    疾病が交通事故の要因となるおそれがあることを事例を説明すること等により理解させるとともに、定期的な健康診断の結果、心理的な負担の程度を把握するための検査の結果等に基づいて生活習慣の改善を図るなど適切な心身の健康管理を行うことの重要性を理解させる。
  12. 安全性の向上を図るための装置を備える事業用自動車の適切な運転方法
    安全性の向上を図るための装置を備える事業用自動車を運行する場合においては、 当該装置の機能への過信及び誤った使用方法が交通事故の要因となるおそれがあることについて説明すること等により、当該事業用自動車の適切な運転方法を理解させる。

(『貨物自動車運送事業者が事業用自動車の運転者に対して行う指導及び監督の指針』より)

実施時期

毎年

指導の記録と保存

次の事項を記録し、営業所に3年間保存しなければなりません。

  • 日時
  • 場所
  • 内容
  • 指導、監督を行なった者
  • 指導、監督を受けた者

外部の専門的機関の活用

専門的な知識、技術、場所を持つ外部の専門的機関を積極的に活用することが望ましいとされています。

トラック協会の助成制度について

トラック協会が指定する研修を受講する場合、トラック協会のドライバー等安全教育訓練促進助成制度を受けることができます。

「トラック協会のドライバー等安全教育訓練促進助成金について」をご覧ください。